2025年7月23日(水)15:00~17:00 オンライン開催
参加校数:15校
「2025年度 第1回研究会」を実施しました。
体制変更のご報告の後、参加大学の現状共有、今後の課題や取り組みについて意見交換を行いました。
代表(新任):阿部 孝史(国際教養大学 キャリア開発センター長)
共同代表(重任):佐々木 ひとみ(東京家政学院)
理事(重任):
岡田 行弘(大阪大学)、坂井 伸彰(長浜バイオ大学)、白石 俊哉(国際基督教大学)祖父江 健一(女子学院)、増田 一美(日本女子大学)、菅野 智文(事務局長・㈱ここだな)
企業の採用活動が、さらに1〜2ヶ月前倒しになっている印象。早い学生は3年生の12月までに内定を獲得している。
早期内定を得た学生が決断できず、就職活動を長引かせる傾向がある。
留学を必修とする大学では、帰国後に就職活動が早期化の波に乗れず、内定獲得が難しいケースが発生している。
←留学前の学生も視野に入れ、27卒学生向けガイダンスを25年5月から開始している。
インターンシップやオープンカンパニーへの参加が増加する一方、授業への出席率が低下している。
一部企業で新卒採用数を減らし、キャリア採用とのバランスを取る動きが見られる。企業側の新卒採用比率減少やキャリア採用へのシフト、事業環境の厳しさが指摘された。
メンバーシップ型採用からジョブ型採用への移行が一部企業では進んでいるが、職種別採用を実施する企業はまだ少数。職種別採用ではマーケティング職などが人気だが、競争が激しくなる傾向がある。
採用ルートの多様化により、学生や大学側のサポートが複雑化している。
留学生の日本での就職希望者が増加傾向にある。卒業時期直前や卒業後のビザ切り替え・資格外活動許可申請の相談が大幅に増加している。
留学生支援はキャリアセンターだけでなく、国際センター等の他部門とも連携して実施している。
←留学生がキャリアセンターに足を運びづらい現状があるが、国際センター等での支援が利用率向上に寄与している。
外部アドバイザーやバイリンガル職員を活用し、英語・中国語でのキャリア相談体制を整えている。また、予約システムで言語別の相談枠を設けることで、学生が希望言語で相談できるよう工夫している。
今後の課題として、日本語が不得意な学生への支援や、企業側の受け入れニーズの喚起が確認された。
大学にとって博士課程進学者の増加は重要だが、アカデミックポストも限られており、進路の多様化が求められている。アカデミック以外の進路を大学としてどのように提示し、学生の進学意欲を維持するかが課題とされた。
多くの大学で博士課程学生向けのイベントが実施されているが、中には、学部生向けの内容をアラカルト的に提供しているに留まる実情もある。
企業側の博士課程学生に求める人材像が限定的である。
個別大学だけで企業ニーズに応えるには、教職員のマンパワー的にも限界がある。
大学間や企業間の連携による新たな仕組み作りの必要性が確認された。
国の施策も理系・国立大学を中心に進められており、文系博士課程学生への支援は今後の課題とされた。